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「歯」という臓器について―価値観の共有―

2020年10月24日 [治療について]

歯という臓器

今回は、臓器としての「歯」についてお話します。
「歯」は、心臓や胃と同様、臓器の一つです。
心臓や腸などといった器官が病気になった時と、「歯」が病気になった時、たいていの方は「内臓」が病気になった時の方が深刻で重大だと考えると思います。
「歯」の病気=むし歯や歯周病にかかっても、それほど重要なこととは捉えられない現実はたしかにあると思います。

何故そうなのでしょうか?
そこには、「内臓の病気は健康や生死に直結するけれど、むし歯になっても死にはしない」という考えがあるのかもしれません。
しかし歯がなくなって満足に食事をすることができなくなり、流動食や点滴での生活となったらどうでしょうか?
口元が気になって人前で笑ったり話すことができず、人目を気にしながら過ごす毎日が楽しいでしょうか?
「豊かに楽しく健康に生活できる」という観点においては、歯も内臓も同じように重要なものなのです。

また、歯は同じ硬い組織である骨と似ているように感じますが、骨の様に折れても再び自然修復されることはありません。髪や爪のように切ってもまた伸びてくる、皮膚のように自然に傷口が塞がるということもありません。
むし歯になり一度削ってしまえば、二度とその組織は戻ってくることがないのです。
ただ、今は歯科医療も発達してインプラントなどの治療で補えると考える方もいるかもしれません。
しかし、インプラントでは食べ物の固い柔らかいは分かりません。天然の歯の自然な感覚とは別物で、歯ぐきに埋め込まれた異物であることに変わりはないのです。

つまり皆さんには、歯は内臓と同じレベルの大切な臓器であるという考えを持っていただきたいのです。

例えば、ある臓器ががんになってしまったとしましょう。
そこに重粒子線治療というものを行えば、臓器の切除を最小限に抑えることができ、その機能も維持できるということが分かりました。しかしその治療はかなり高額なものです。
この場合、あなたならどうしますか?
たとえ高額だったとしても、金銭的に許容できれば、必ずその治療を受けると思います。費用を抑えるために「とりあえず、バッサリ開腹してやってくれ」という人はいないでしょう。

価値観の共有

歯の治療も同じです。
先にお話ししたように、歯は内臓と同じように重要な臓器であるので、「とりあえず保険治療で必要最低限のことだけでいい」となってはいけません。

「これからの人生で、何の問題もなく食事を楽しめて、口元を気にせず元気に話すことができる生活」
この価値観を守るために、治療に10万円が必要となったとしても、それが高額だと感じるでしょうか?
後々問題が起こると分かっていても、とりあえず保険治療の数千円で済ませてしまえば、結果的により大きな負担をもたらすことになってしまうでしょう。

歯という臓器の大切さを理解し、私と同じ価値観を持っていただける方であれば、お互いが満足できる幸せな治療を実現できると考えています。

まただからと言って、高額な費用負担が患者さんの治療の足かせになっては意味がありません。
そこで当院では、患者さんが治療を受けやすく感じていただけるように、様々な工夫を重ね、現在の料金体系を設定しています。

この話を読んで共感していただけましたでしょうか。
考えを同じくして、共感していただけた方には、治療を受けに来ていただきたいです。
また完全には納得できなくても、少しでも何か引っかかるものを感じた方も、是非一度ご来院ください。お口の中を診させていただき、歯に対する、口腔に対する、機能に対する、治療に対する考えをお話しさせてください。そして、その価値観を一緒に共有できればと願っています。

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