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その「患者のため…」、偽善・自己満足ですよ
2024年06月13日 [治療について]
こんにちは。
小林歯科医院ブログに辿り着いたみなさんは、こだわりの治療に興味津々のモチベーションの高い皆さんと推察しています。
よく、医療従事者、特に医師・歯科医師において、「患者のため、患者のため。。。」と言う人がいます。
医は仁術と無料診療を施した赤ひげ先生のごとくふるまうことが、美徳とされ称賛され、実に聞こえはいいですよね。
「患者のため。。。」文字通りだったら、すごく大事なことですし、素敵なことと思います。
しかし価値があるからこそその対価があるのに、<対価を設定しないこと>/<安売りをすること>で、「患者のため。。。」と言ったりする人がいます。
確かに、安いことはすごい魅力です。でも、それはその価値が同じく享受できて、その上で安ければということです。「保険治療でここまでしているんだから。。。」は、本当に「患者さんのため。。。」になっているんですか?
一般的に、セラミック治療やインプラント治療は、だいたいの医院で価格設定がキチンとされ、どれもが高額であるのに対し、根管治療では安い価格設定になっていたり、価格設定をしていないという現状があります。
根管治療において、
・マイクロスコープを使うこと=しっかりよく見えてしまうがゆえ、一人当たり1回の時間がかかってしまうこと
・根管治療において、特別な器具器材材料を使うこと
において、どうしても金銭的負荷はかかってきてしまうことは事実です。
にも拘わらず、その価値の対価をキチンと設定しないということは、
その根管治療に自信をもって提供していないと言っていることと等しいです。
マイクロスコープを使って行う精密根管治療が、素晴らしい内容で提供できているのならば、キチンと自信もって胸張って対価を設定し、頂戴すべきです。
根管治療が安い価格設定になっている理由は、設備などを揃えたものの、それに伴った治療に自信がないからです。さらには、キチンと説明をする時間を取らないからです。
セラミック治療やインプラント治療は、患者さん側もなんとなく良い治療であろうことは、うすうす良い治療であると周知しているからこそ、価格が別に設定されていることに違和感を持たないことが多いです。しかし、根管治療において、各医院において違いや利点欠点等説明すること、耳にすることも少ないと思います。だからと言って、というのは、すごく違和感を感じます。まさしく、偽善、自己満足に過ぎません。
医療従事者は患者さんのために全力を尽くし、価値あるもの・技術あるものは適切な対価をいただくべきです。
結論、「料金が保険の金額だから。。。」は、医師がよく言う “患者さんのため” にはなりえません。だったら、すべての治療において、そういう金額に準ずる対価に設定したらいかがですか?