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予防って?何を予め防ぐ?

2023年10月31日 [治療について]

こんにちは。
小林歯科医院ブログに辿り着いたみなさんは、こだわりの治療に興味津々のモチベーションの高い皆さんと推察しています。

昨今、あちこちで「予防」という言葉を耳にします。どこの歯医者も「予防歯科」や「むし歯・歯周病予防」と予防の重要性を強調しています。

予防のため一点張りに「歯ブラシ」「歯ブラシ」と……確かに間違っていないでしょうし、非常に重要なことです。
歯ブラシ
ではそもそも「予防」は、どのような問題を「予め(あらかじめ)防ぐ(ふせぐ)」ことを目指しているのでしょうか?

テレビやCMでは「むし歯予防」「歯周病予防」というワードをよく耳にします。この影響により、世間一般では「予防」と言えば「むし歯予防」や「歯周病予防」という考えが浸透しています。

しかしもっと大きなベクトルに目を向けると、「歯を喪失し、自分の歯で噛めなくなること」を予め防ぐ、という考えが根本にあるはずです。
その一方で、歯を失っても「入れ歯治療」や「インプラント治療」があるじゃないか、という考えがあるのも事実です。

そのため歯医者の中でもインプラントがもてはやされています。近年登場した革新的治療であるからゆえ、もてはやされるのも分かります。
そして世間的にもインプラント治療を受けることが、ある種のステータスとみなされる傾向があることも厳然たる事実でしょう。
たしかにインプラント治療は、歯の欠損に対する革新的な治療であることは間違いないと思います。
しかし、インプラントは人工物であることも間違いないことですし、天然歯と同じであることは絶対にありません。「インプラント治療」は天然歯にとって代わるものではなく、あくまで欠損治療として「入れ歯治療」に取って代わるものでしかありません。

天然歯が持つ、食べ物の柔らかさや硬さを感じる触覚圧覚(人の味覚にも大きな影響があります)は、インプラント歯では得られないのです。
強いて言えば、顎関節の咬む筋肉によっておおよそ想像できるくらいでしょう。

インプラント治療は咀嚼(そしゃく)機能回復や他の歯の喪失防止には有効ですが、天然歯の全ての機能の回復はできません。
インプラント

「予防=あらかじめ(予め)ふせぐ(防ぐ)」とは、「天然歯の喪失を防ぐ」ことに最も大きな意味があるのです。

そのためには、起こってしまった口腔内の変化や病気に対し、元に戻しておくことが何よりも一番重要だと考えます。
すなわち、起こってしまった変化をしっかりと「見ることができる」ことが必要です。
むし歯治療をはじめとするそれぞれの治療においては、「見えている」状況下でどのような治療を施すのか、施せるかが非常に大切になってくると思います。

むし歯が小さいうちにしっかりと治療するか、被せ物が必要になる段階で治療するか、抜歯が必要な時にしっかりと対処するか、それぞれ選択はあると思います。
しかしながら、これらの選択によって得られる結果は同じではありません。もちろん、金銭的にも同じことではないのは容易に想像がつくでしょう。

そのためにも当院では、早い段階でのリセットが歯の喪失を防げる予防手段、予防治療のひとつと考えています。
この考え方は「むし歯予防」「歯周病予防」というワードと合致すると思います。

「とりあえず……」の治療で、「むし歯予防」や「歯周病予防」のために定期検診を受けていても、治療を疎かにしては真の予防にはなりません。
どのような医療でも100%は絶対になく、某ドラマで「私、失敗しないので。」というセリフは現実的ではありません。そしてたとえ手術が成功しても経年的変化には逆らえないのです。

しかしそうは言っても、しばらく経ってからの再発の有無や、治癒の完成度・持続度は、通常の治療と「見えている」顕微鏡レベルの治療とでは大きな差があります。
それは、見えている内容が全く違うからです。そしてその見えている光景の中で、どれだけしっかりと治療できているのかは、術者の技量・知識・揃えている器具材料によって異なります。
マイクロスコープ
治療を必要とするタイミングをできるだけ減らすことは、天然歯の喪失を「予防」する大事な点だと考えています。

歯科治療における最大の幸せは、天然歯を削るような治療が全くなく、「むし歯予防」「歯周病予防」で経過していられることです。誰の目からも一目瞭然で納得できるでしょう。
万が一治療することになった場合には、できるだけ元の歯に近い状況に戻してあげることが重要です。

小林歯科医院では、「予防」という概念を単純に「歯を磨いてください」という意味で考えていません。最終目標である「天然歯の喪失を防ぐ」という「予防」を目指しています。そのため、当院では「インプラントを積極的に行っています。」とは絶対に言いません。それは、言っていることとやっていることに矛盾が生じるからです。しかし、どうしても救えない歯があるのも事実です。そのための武器として「インプラント治療」を行っていると謳っています。

できるだけ天然歯にこだわりたい方、自分の歯にこだわりたい方の、予防のお手伝いできればと思っています。

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