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2022年10月25日(火) [ 治療について ]

歯科医院におけるリテラシー論

こんにちは。
小林歯科医院ブログに辿り着いたみなさんは、こだわりの治療に興味津々のモチベーション高い皆さんと推察しています。

仕事がら、様々な歯科医院の院長と話をする機会があります。
もちろん、100人いれば100通りの考え方の歯科医院になっていることは、理解できるところです。

それだけの幾多の考え方があるのだから、その考え方やリテラシー(現代では適切に理解・解釈・分析し、改めて記述・表現するの意)に対して、疑問をもってしまうことも多くあります。

ここではそのようないくつかの「え~っ!」という考え方・リテラシーを紹介します。

<1>器具・機材などが壊れたことをスタッフ・従業員のせいにする

断線
歯科医院では、いろんな器具や機材、電子機器を使います。もちろん、いつかは不具合をきたすでしょうし、いきなりそれを迎える時もあるでしょう。

しかしながら、突然不具合を迎えたとき
「誰か余計なことしたのだろう」
「さっきまで使えていたのに」
と器具や機材などが壊れたことをスタッフ・従業員のせいにする先生がいました。

通常利用ができなくなる不具合が、いつ生じるかなど誰にも予想はできません。
そこを責任統括者としての院長が「いままで無事に使わせてくれて、ありがとう」というように許容ができない医院は、非常に危険です。

勤務するスタッフも、すぐに自分たちのせいにされると戦々恐々とし、医院にあるものを使用して働く気が起きなくなってしまいますよね。
院長のリテラシーがないがゆえに、不具合に陥ることもあるでしょう。それも含めてスタッフのせいにされる…。たまったものではありません。
そういう歯科医院は、ホントに危険です。

<2>口だけで、いつまでも実行しない院長

机上の空論
「うちの医院は、こういう風にしたい」
「こういう治療を提供したい」
という理想を掲げる院長は多くいます。

しかしながら、ただ理想を語るだけの院長と、とりあえず何かを手始めに動き出す院長とでは大きな違いがあります。今始めないことは、後からでも絶対始めたりしないです。

何か新しい機器を導入することにしても、今買うことを決断できなければ、後からは絶対買わないです。
車を買うことと同じです。今買わない決断をすると、その後新しい車種やモデルチェンジが行われます。さらに待てば、より新しい車種が登場しモデルチェンジもされることでしょう。
人は、便利さや革新を追及して商いをしているので、ずっと同じでいるということはないのです。だからと言って「待てばさらにいい物がでるから」では、永遠に買う日は訪れません。

歯科医院の機材においても、今は買わずに待っていれば、次のモデルチェンジでよりよい機能のものを手に入れらるかもしれません。しかしそれを待ち続けて、机上の空論でずっと過ごすか、その武器を今手に入れるのかでは、その医院の戦い方も変わってきます。
口ばかりの歯科医院は、机上で行う理論での戦いでは強いかもしれませんが、実際の武器は手にしないので、いつまでも結論や結果が出ることは無いでしょう。

<3>お金をいただくことを、悪だと思っている院長

歯科治療費
歯科では、すべての治療に対して保険が適用されるわけではありません。よって、どこの歯科医院にも保険外診療のラインナップやオプションが存在しています。

そういった保険外診療の料金は、各医院の歯科医師が一生懸命勉強して知識を積み重ね、時間をかけて修得したより高度な治療の対価なので、いただいてもよいものでしょう。

もちろん、その保険外診療の価値観であったり、その意味を患者さんと共有できたからこその治療となるので、真摯に治療に臨むべきです。
そうであるのに、その金額をしっかり頂かず、安売りする先生もいます。そのような態度では、本当に真剣に治療に取り組んでいるのか疑問です。

またそのような行為は「え、それだけ値引きしても利益出てるんだ。普段どれだけ余計にもらっているの?」という不信感にもつながります。
やったことに対しては、しっかりと説明をしたうえで、対価としていただくべきだと思っています。

以上のように、多種多様な歯科医院があるがゆえ、様々な考え方が存在します。
歯科医院には、自らの口腔内を委ねることになるので、そのマッチングはとても重要です。
よいマッチングをするためには、先生の話を話をよく聞いてみることが一番だと思います。
そして話を聞くにあたり、分かりやすく説明してもらえる材料がそろっていることも大事になってくることでしょう。
それは画像であったり、イラストであったり、模型であったり…。
何もなしで説明されても理解しづらいですし、説明する側の姿勢も真摯なものとは言えません。

価値観が共有できた歯科医院にお願いできたとき、満足度が高い結果を得られると思います。

2022年10月25日(火) [ 治療について ]

画像を大事にする医院、大事にしない医院

こんにちは。
小林歯科医院ブログに辿り着いたみなさんは、こだわりの治療に興味津々のモチベーション高い皆さんと推察しています。

最近、患者様から「歯を残したい」というお問い合わせをよく頂戴します。これは患者様にとってごく当たり前なことです。しかし治療には、必要十分な条件が存在したり、最低限歯を削る必要があったりします。
そこには、十分な説明が必要ですし、それに見合った時間も必要でしょう。
そこで患者様が状況を理解するには、一番は画像による説明が必要不可欠と当院では考えています。

よって画像を撮ること、管理保管をすることは、歯を残すための生命線となります。

他の歯科医院を見学することも多いのですが、昨今「マイクロスコープ」というワードが独り歩きしています。
顕微鏡さえ買って導入すれば、精密な歯科治療ができると考えている歯科医院が増えてきました。
しかしながら、画像での説明や管理をまったく考えていない医院はたくさんあります。

たとえば、拡大視野下で治療をしているのに、説明の時は手鏡を持たせて説明する…。
顕微鏡を必要とする治療なのに、説明するときに手鏡では、必要な個所が見えないに決まっています。それでは、最初から説明する気ないと言っているのと一緒です。

(1)一見、問題のなさそうな銀歯(銀色)の詰め物です(ピントがずれて、すいません)。保険の診療では妥当な治療と言えるでしょう。しかし、銀歯のふちを見ると、隙間が空いていたり、その中で黒くなっていたり…。(2)銀歯だけをキレイに除去すると、その中には、むし歯が!何の意味もありません。

(a)右下第一大臼歯には、古い不適合な白い詰め物がありました。それだけをキレイに取り外してみると…。(b)手前の歯に、むし歯が飛び火していました。

(c)今度は、飛び火したむし歯をめがけて掘り進んでいき…(d)白く白濁したむし歯の部位に到達。キレイに除去していくと…(e)内側の方にもむし歯が浸潤していました。

このように、自分の歯の状態を画像で順立てて記録・説明されたら、納得したうえで「頑張って治療に取り組もう」という気持ちになりますよね。以上のことを、手鏡を持たされて「見てください」と説明されても、実際見えるはずがありません。

「マイクロスコープなどで撮影した画像の管理を疎かにしている歯科医院」=「説明を疎かにしている歯科医院」と言っても過言ではないです。
しっかりとやったことを見せない・説明しないということは、なにかやましいことがあるようにも感じてしまいます。
このデジタルの世の中、昔みたいなフィルムカメラじゃあるまいし、撮影がうまくいかなくても何回でも撮れるのですから…。

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