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インプラント治療とCT撮影とガイド
2020年12月17日 [治療について]
こんにちは。
「インプラント治療」という名称は、一般にもかなり浸透してきています。
見たり聞いたりした
だけではなく、「実際に治療を受けた」という方もいると思います。
インプラント治療は、歯を失った部位に人工の歯根を埋設して、その上に新しく歯を補う治療です。
皆さんのイメージの中では、「大変な治療」と感じられているかと思いますが、
この治療も重要な「長期予防的低介入治療」の一つです。
歯を失ってしまった箇所の治療法は、原則3種類しかありません。
その中から選択することになります。
①歯を失った部分に入れ歯を装着する(義歯治療)
②歯を失った部分の両隣りの歯から橋のように連結した修復物を装着する(ブリッジ治療)
③歯を失った部分に人工の歯根を埋入してその上に修復物を装着する(インプラント治療)
①も②も、歯の無い部位を補う解決方法として、どうしても他部位の力を借りることになります。
そして頼られた部位には、力の負担や削られてしまうという迷惑をかけることになります。迷惑をかけられた歯にとって、①②の治療法は、当院の掲げる「長期予防的低介入治療」ということにはなりません。
それでは、③インプラント治療について考えてみましょう。
昨今ではインプラント治療における事故の報道も散見されるため、恐怖が先行してしまう方も多いと思います。
そのような医療事故を防ぐため、最近では治療前にCTで患部の撮影を行うことが一般的になりました。町の歯科医院でも、CTを備えている所が珍しくなくなりました。
そこからさらに進化して、CTで撮影した歯やあごの骨の状態を元に、パソコン上でどのように人工歯根を安全に埋入するのかシミュレーションするという医院も増えてきています。
そしてパソコン上で安全性をシミュレーションしたのであれば、実際に人工歯根を埋設する際にも、そのシミュレーションどおりの部位・深さ・方向を担保する必要があります。その処置を、フリーハンドで行っていては、何の意味もありません。
「安全を確認した」と言っても、それは机上の空論です。ただのパフォーマンスのためのシミュレーションといっても過言ではないでしょう。
当院では、そのような無意味なパフォーマンスは行いません。
パソコン上でシミュレーションした内容を、実際の処置でも担保できるよう、外科用のガイド(サージカルステント)を必ず制作し、治療に用います。
このガイドを用いれば、シミュレーション通りに人工歯根を埋入することができ、安全の確保・治療計画の正確な実現が担保されます。
まだこのガイドを用いたインプラント治療は一般化しておらず、CT撮影することだけがクローズアップされてしまっているのが現状です。
CT撮影はあくまで検査であり、そこから得られたデータを、どのように実際の治療に用いていくのかが重要です。
この考えに基づき、当院のインプラント治療では、100%ガイドを用いた処置を行っています。