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2022年1月30日(日) [ 治療について ]

信念はいらない?と美容院の関係

こんにちは。
小林歯科医院ブログに辿り着いたみなさんは、こだわりの治療に興味津々のモチベーションの高い皆さんと推察しています。

歯科医師の中には、「信念はいらない。患者満足度だけだ」という先生がいます。
確かに、「患者の満足度」は非常に重要なことだと思います。

しかし、僕たちは物販ではなく医療を提供しています。そこで「信念のある治療」とはどういうことか考えてみます。

治療における信念は、「この患者様をどうしてあげたいか」ということだと思います。

例えば、病気の人がいます。それを見た人達は医師・歯科医師じゃなくても助けてあげたいと思うことでしょう。そして医師・歯科医師はその人を具体的にどうしてあげられるか治療する手段を持っています。つまり医師・歯科医師にとって「信念=患者さんをどういうふうに治してあげたい」ということが信念だと思います。

「信念はいらない。患者満足度が優先」という医師・歯科医師は、患者様が満足さえすれば、どういうふうに治してあげたいとか考えていないのでしょう。

歯科治療で例えると、この歯を2mm短くしたい、アイドルのように八重歯みたいに三角にして欲しいと言われたときに、そのとおりにしてあげれば患者満足度は上がります。しかしそれは美容院で美容師さんに前髪を2cm切ってとか、耳に髪がかからないようにしてとかと一緒のことです。

美容院

歯科治療は美容院と違って医療で見た目だけを治すところではありません。
美容院は見た目を「直します」。歯科は病気を「治します」。使う漢字が違うのだから、当然内容も違いますよね。

金銭面でも同じことが言えます。なんでも安いほうがいいし、良いものがいいに決まっています。しかし、良いものには手間や習熟するための努力・器材・材料などいろいろとお金がかかっています。そのため、良い治療内容を受けるということに費用が生じてしまうことはしょうがないことですし、それを上回る価値があると思われた患者様は、その治療を選択することでしょう。

お金をかけずに何でもかんでも保険治療内容で仕上げ、患者満足度が高いからいいと歯科医師側が思っているなら、その歯科医師は自費治療しないほうがいいです。ずっと保険診療が患者様のためになっていると信じているわけですから。また、それにまつわる器材も買う必要はないでしょう。

費用を頂戴するということは正当な対価です。それに見合った価値観や利益を共有できていれば、満足度高く良い結果を得られることでしょう。例えば、ベンツは非常にいい車だと広く一般的に知られています。それを限りなく安く、自分のお金の価値観の中で買える金額なら満足することでしょう。しかし、ベンツという車は、良い車になるのに研究や開発が繰り返され、費用がかかってその値段になっています。

ベンツ

その中で価値観を共有でき、その車に乗ることの利益を理解できる人が買うことができます。そうでないならば、元来買うことができないわけですから仕方のないことです。そのお客様に満足して欲しいために、100万円まで値下げすることもないでしょう。

ベンツを欲しくて理解納得した上で購入したお客様は、500万600万円だったからといって文句を言うはずもありません。満足する金額まで値下げしてくれないのは、分かり切ったことなのです。

2022年1月30日(日) [ 治療について ]

「患者に寄り添う」って、なに?

こんにちは。
小林歯科医院ブログに辿り着いたみなさんは、こだわりの治療に興味津々のモチベーションの高い皆さんと推察しています。

歯科医師の中に、「患者満足度だけが重要」「患者に寄り添う」という先生がいます。確かに「患者に寄り添う」ことは非常に重要なことで、「寄り添う」って言葉の響きも非常に良く大切な言葉です。しかし、「患者に寄り添う」ということは具体的にどのようなことでしょうか?

僕たちは歯科医師で、患者様をできるだけキチンと治してあげたいという使命と欲求があります。しかし、当院に来院される患者様からはよくこんな話を聞きます。

「治療の内容・方法について、こんなに話を聞いたことがない」
「知らない間に、銀歯の被せ物・詰め物になっていた」

このようにおっしゃる患者様は非常に多いです。

レントゲン
保険診療だから詳しく話をする時間がないためなのか、保険ならどこでもやっていると思っているのか、それとも自己負担金分だけの治療は最低限クリアしていると考えているのか…これは先生の言う「患者に寄り添う治療」なのでしょうか?

そもそもこのような治療を自分の身内や両親にもするとは考えられません。自分の身内や両親にもしたくないような治療のくせに、患者様に平然とするのは「患者に寄り添った治療」とは言えないでしょう。

ただお金をいただくということへの申し訳ないという気持ちがそうさせているのか、または保険診療は保険点数という金額が決められているため、自分がその保険の対価をいただくことに対して別に何とも思っていないだけではないのかと考えられます。

キチンとした治療をその患者様に提供するということは、それに至るまでの手間や技術の習得、器材の投資があり「正当な対価」です。そういったことも患者様に理解していただくのも歯科医師の仕事でもあります。

保険の金額なら、どこの歯医者でももらっているからいい。しかし、その治療内容は「患者に寄り添っている」と言えるのでしょうか。最低限の保険治療という内容をクリアしているからいいと思ってるのは「患者に寄り添う」治療なのでしょうか。これは歯科医師自らが患者さんの予後や未来を放棄しているようにしか思えません。

寄り添う

テレビでも銀歯の下は虫歯だらけと、世間一般知識として流布しているというのに、歯科医師側の意識が「保険治療なので」と言って逃れようとしていることは「患者に寄り添って」いますか?

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