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当院の治療では、「ラバーダム防湿法」を必ず用います
2020年08月04日 [治療について]
ラバーダム防湿法。
皆さんは聞き慣れない言葉だと思います。
この写真のような、ゴムでできたシートをラバーダムといいます。
そして、露出している歯がこれから治療を行う歯です。
このラバーダムを用いた治療法を、ラバーダム防湿法と呼びます。
当院では歯の根っこの治療時には、必ずこの治療法を用います。
ではこのラバーダム防湿法には、どのような意味があるのでしょうか?
それを理解するには、まずむし歯の原因を知る必要があります。
人の口の中には、むし歯菌が存在します。この菌は常在菌と呼ばれ、ほとんどの人の口の中に存在しています。歯の小さな亀裂や隙間などにこの菌が入り込み、繁殖してしまうことでむし歯が引き起こされます。
つまり、人の口の中にはむし歯菌が存在し、むし歯とは菌による感染症である、ということです。
次に、歯の根っこの治療について考えてみましょう。
むし歯が神経にまで達してしまった場合には、歯の根っこの中の神経を全て取り除き、キレイに掃除します。
そして掃除が終わったら、薬剤を詰めて歯にフタをします。
ここで先ほどの説明を思い出してください。人の口の中には、むし歯菌が存在しています。もし治療中にだ液などが根っこの中に入ってしまっていたら、歯の中にむし歯菌を閉じ込めてしまうことになるのです。
そうなると治療後は何もなくても、数ヶ月後、数年後にそこからむし歯が再発してしまう可能性が非常に高くなります。
それを防ぐための方法が、ラバーダム防湿法です。
ラバーダムを用いて治療する歯だけを露出させることで、口の中のだ液などが歯の中に侵入することを防ぐ(=防湿)のです。
ラバーダム防湿法を用いる治療と、用いない治療では、用いた治療の方が圧倒的によい状態を保てます。
歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)の使用の有無よりも、ラバーダム防湿法の有無の方が、治療成績に大きな影響を与えます。
アメリカの歯科治療では、ラバーダムを使わないで治療をすると訴訟になるとまで言われています。
当院では、歯の根っこの治療時には必ずラバーダム防湿法を用います。
患者さんが嫌がられたとしても、必ずこの方法で治療を行います。
これは「長期予防的低介入治療」という、当院の治療信念に基づいているからです。