2021年9月24日(金) [ 治療について ]
こんにちは。
小林歯科医院ブログに辿り着いたみなさんは、こだわりの治療に興味津々のモチベーション高い皆さんと推察しています。
今回は、良くお聞きする患者さんの後悔話をつらつらと…。まさしくあるあるですので、参考にされてはいかがでしょうか?
これはむし歯の治療にいらっしゃった、とある患者さんの話です。
はじめはまだむし歯が小さく、詰め物の治療で済むことができたので、「とりあえず、保険診療の銀歯で…」と保険治療を希望しました。そのときのお会計は数千円程度で済んだのですが、しばらくしてから銀歯の下でむし歯が再発し、今度は被せ物になってしまいました。しかもお会計は1万円以上かかってしまったのです。
それなのに今度は、銀歯の被せ物の内部でむし歯が再発し、神経を取らざる得なくなり、銀歯の被せ物も再作製になりました。
ところが、またしばらくしてから根の病気が再発し、根の治療は再治療となったのです。もちろん銀歯の被せ物も再作製です。保険といえども、2回も被せ物を直すと費用の負担は大きいものでした。
これで安心したのも束の間、その治療部位の歯肉が腫れてきたのです。診察を受けるとなんと歯の根が割れており、抜歯だと言われました。入れ歯はイヤだったし、ブリッジで周囲の歯は削りたくない。そうしたら、インプラントしかないなぁ。と思い、費用を聞いてみると、えっ、40万っ…!歯がなくなるもっと前に、ちゃんと治しておけばよかったと後悔しました…。
この患者さんは歯を失ってから初めて自分の歯の大切さに気づいたのです。治療のステージが上がると、キチンと治すこともお金がかかります。早期発見、早期治療はご自身の歯の寿命を長くし、費用の負担も少なくて済みます。
キチンとした治療をいつやりますか?後でいいですか?今の方がいいんじゃないですか?
2021年5月24日(月) [ 治療について ]
こんにちは。
小林歯科医院のブログに辿り着いたみなさんは、こだわりの治療に興味津々のモチベーション高い皆さんと推察しています。今回は、実際の症例を見てみましょう。
これから実際の写真が出てきます。苦手な方は、この先お読みになるのをご遠慮ください。
<1>これは、ある患者さんの右上大臼歯の保険治療の銀歯です。
この写真は顕微鏡越しに撮影されているので、だいぶ拡大して撮影しています。
もし、保険治療の場合、肉眼でチェックしたら、「問題なし。また定期健診で来てくださいね。」ということになっていたでしょう。
みなさん、どこに問題があるかお分かりですか?この写真の歯には、大きな問題を抱えています。
<2>顕微鏡を使って、丁寧に患者様の歯を削らないように除去をしました。
銀歯の詰め物は不適合になります。どこの医院、誰が作っても境目から細菌感染が始まり、このように黒くなっています。それよりも大きな問題を抱えています。
<3>〇部分に注目です。隣り合う部分に大きな虫歯が隠れています。
<4>少しだけ削ってみると、中は虫歯が大爆発しています。
一見して、誰もが良い状況でないことが分かります。<1>の写真から、内部がこんな状態になっていることが、肉眼で想像できたでしょうか?
<5>虫歯を除去していくと、〇部分には小さな亀裂があります。
この亀裂に沿って虫歯は拡大したようです。これだけの亀裂があれば、虫歯の細菌は容易に通り抜けることができます。肉眼では確認ができません。可及的に除去を行っていきます。
皆さんは、どんな治療を受けたいですか?
皆さんの歯への関心・興味・希望が、その天然歯を長生きさせます。
いま、キチンと治しますか?今回も、「とりあえず...」でいきますか?その選択が歯の運命を決めます。
2020年9月26日(土) [ 治療について ]
当院に初めて来院された患者さんのお口の中を診ると、多くの方が銀のつめ物や被せ物をされていらっしゃいます。
そしてその銀歯をさらに注意深く観察してみると、ほとんどの場合、隙間や段差による不適合でむし歯が再発しています。一般的な保険の治療や検診では、肉眼では見えない銀歯の適合状態や、それによる小さなむし歯などは、見えていないので当然見逃されてしまいます。
しかし当院では接写カメラで歯の状態をチェックするため、修復物と歯の微細な隙間や、本人に全く自覚症状がないような小さなむし歯を発見することができます。
そこで当院では「長期予防的低介入治療」という観点から、お口の中にある全ての不適合な歯の治療をやり直し、一度口腔内の環境をリセットすることをお勧めしています。
しかし患者さんによっては、引き続き保険での治療を希望される方もいらっしゃいます。
そういった場合、お口の中で再発しているむし歯に痛みなどの特段の自覚症状がなければ、あえてその銀歯を取り除く治療はお勧めしていません。
それは何故か?
例えばその銀歯を取り除き、再発したむし歯の部分を削り、さらに一回り大きく削りを加えて保険診療の金属で歯を修復したとします。
しかしそれはただの銀歯のコピーを作ったにすぎず、またむし歯が再発してしまう治療となってしまうからです。
保険診療では、「治療と再発を繰り返し、やがて歯を失ってしまう」という負のデンタルスパイラルに陥ってしまうだけになってしまいます。
それであれば積極的な治療を行わない方が、まだ歯を長持ちさせることに繋がります。
⇒【負のデンタルスパイラル】※近日公開予定
また、当院では、治療の費用面でのハードルが下がるよう、保険外の治療で用いる歯の修復物の料金も考慮して設定しています。保険外の修復物のみを制作する技工所と連携し、少しでもコストを削減する努力をしていただけるところにお願いしています。
適合が良い精度の高い治療を行えば、むし歯は再発しにくくなります。一方、過度なメンテナンスやクリーニング自体が歯に負担を与えます。
それを回避するためにも、適合の良い精度の高い治療が必要であり、このような治療をするということは、まさに一石二鳥なのです。
これが当院の提唱する、「長期予防的低介入治療」という考え方の基本です。