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インプラントという最終兵器
2025年03月18日 [治療について]
こんにちは。
小林歯科医院ブログに辿り着いたみなさんは、こだわりの治療に興味津々のモチベーション高い皆さんと推察しています。
「インプラント治療」という言葉、広く認知されてきていますよね。患者さん側から、「インプラントにしてください」というお話もよく聞きます。
ですが、一度考えてみてください。
インプラントは本当に必要な時にこそ選ばれるべき治療法です。
少し極端な表現となりますが、当院では、インプラント治療は最終兵器だと考えています。
戦争だと、「最終兵器」とは、最も強力で決定的な武器を指します。例えばそれが原子爆弾だとすると、その威力は非常に大きく、一発で戦争を終わらせる可能性があるため、最終的な手段として使われることになります。
「最終兵器」というぐらいですから、戦争の最初ではなく少なくとも後半で使用する兵器と位置付けられるはずです。戦争の最初から、いきなり最終兵器原子爆弾を使うような戦争はないはずです。
歯科治療でも同じように考えることができます。
インプラント治療というものは、そもそも病気がはびこる対象である歯自体を抜歯して亡き者にするわけですから、虫歯になったりいろんな病になるリスクは、明らかに軽減します。
ですので、「歯でお困り」という問題は、解決すると言えば解決する、といった表現になるのでしょう。
インプラント治療を最終兵器と例えたのは、インプラントが病気の原因となる歯を取り除くことで、再発の心配をなくし、問題を一度で解決できる治療法と考えられるからです。
しかしそこで私が疑問に思うことは「戦争(歯科治療)しょっぱなで原子爆弾ともいえるインプラント治療、選択しますか?」ということです。
もともと歯科医師は、天然の歯をいかに残していくかに日々取り組んでいます。多くの歯科医師がそのように考えているはずですし、僕自身もその一人です。
ですがその一方で、インプラント治療は歯がない・欠損しているところの救世主として存在しており、この治療法と天然歯を守る使命との間に矛盾を感じる歯科医師も少なくないのではないでしょうか。
このブログでも何度か取り上げてきましたが、例えば左側上下にインプラントを入れ、右側上下は天然歯が残っているという患者さんがいらっしゃいます(部位は例として)。ところが、左側のインプラントでしっかりと補えているにもかかわらず、「右側の天然歯ばかりを使って食事をする」という現象がよく見受けられます。このような経験談を耳にすることが多いです。
繰り返しとなりますが、まずは、「自分の歯でいられること」を検討し、「自分のもちうる感覚を生かしていられる方法」に、一旦力を注いでみませんか?
僕は、最終兵器となる手っ取り早いインプラント治療をするのではなく、自分の歯でいられる方法を考えることに、歯科医師として力を注ぎたいと考えます。
同じ考え方の患者さんは、是非おいでください!