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精密根管治療と家の建築
2021年09月28日 [治療について]
こんにちは。
小林歯科医院ブログに辿り着いたみなさんは、こだわりの治療に興味津々のモチベーション高い皆さんと推察しています。
歯医者で保険のきかない被せ物を勧められたりする経験は、よくあるかと思います。これは根の治療(根管治療)が終わり、被せ物(クラウン)を作製していく、そういう流れのためです。
被せ物(クラウン)を勧められた時「奥歯は見えないから…」「上の歯だから見えないから…」を判断基準にしている患者さんは多いかと思います。
しかし、根の治療の状態が肉眼レベルでの治療で被せ物だけ勧めてくる、しかも自費診療の被せ物を、保険診療と同じ肉眼レベルで削って作製するということは、製作物レベルは保険の肉眼レベルと同じだと思いませんか?
当然、根の先で感染が再発したら、自費の被せ物は全部壊して再作製しないといけません。保険と同じく肉眼で治療された根管治療に、保険と同じく肉眼で削られた自費の被せ物、それでいいのでしょうか?
これを家の建築に例えると、土台の工事を疎かにしたところに、お金かけたお城を建てるものです。そんな新築の家に住みたいと思いますか?本当にそれでいいんですか?
お城のような素晴らしいものを建てるなら、キチンと基礎工事をしたところに建てたほうが良いのではないでしょうか?僕だったら、キチンと基礎工事をしたところに建てて欲しいです。基礎工事をおろそかにしたお城、傾きます。ひと昔前によくあった、欠陥住宅と同じです。
キチンとした建築は、キチンとした基礎工事から。当たり前ですよね。そんな疎かな基礎工事に、僕が削って自費の被せ物を作って根の感染が再発したら、患者さん本人も嫌な思いしますし、僕だってせっかく作ってお金頂戴している被せ物が、すぐ根の病気で壊さなくてはいけなくなるなんて、すごく嫌です。
根の治療成績は根の治療後の被せ物の内容に非常に依存します。顕微鏡レベルで根管治療を行っているのに銀歯の被せ物を入れるのも精密根管治療をやる意味がありません。
意味のある治療、意味のある工事をすることで、素晴らしい治療の結果、すばらしい家が建つことは、同じ意味です。
長く住める家に住みたいですよね?